RWPL Advent Calender 2025 の1日目の記事です。
俺達の夢 ~でっかく生きようぜ 誓った遠いあの空 忘れないぜ~
時を遡ること2021年、当時学部4年生だった私と某氏は大学院への進学が決まっており、修士卒で就職する予定だったため、就活は2年後のことだろうと楽観的に考えていた。
2021年の12月頃、いつもお世話になっている先生の元へ某氏と一緒におしゃべりをしに行ったのだが、そこで就職について聞かれた。私と某氏は就職について深く考えたこともなく、まずは卒論を書いてから考えようと思っています、といったようなことを話したと思う。
そんな呑気な私達に対し先生は「就活は修士1年ですることになるから、意外と時間無かったりするよ」と諭すように話してくれたことを覚えている。先生は続いて「夏季インターンのことも考えると、そろそろ動き始めたほうが良いかも」と助言してくれた。そこで私達は事の重大さに気づき、もう就職先を考えないといけない時期なのかと焦り始めた。
当時私は画像処理分野の深層学習を研究している研究室に所属しており、研究室の推薦があれば就職には困らないだろうと考えたりもしたが、画像処理分野の仕事に対して楽しさを見いだせないでいた。研究は楽しいのだが、仕事となるとなんか違う。そんな感じ。
某氏は暗号分野の研究室に所属しており、元からセキュリティ分野に興味があったのだと思う。
ある日、就職について某氏と話していたのだが、「一緒にセキュリティ分野で就職しない?ハッカーとかカッコよくない?」と誘われた。私も仕事をするなら自分がカッコいいと思える仕事が良いと感じ、二つ返事で承諾した。
早速セキュリティ分野の情報を集めたのだが、かなり苦戦した。まず大学にセキュリティ分野に詳しい先生が居ない。暗号分野の先生は数学出身であり、研究室の先輩にもセキュリティ企業へ就職した人がおらず、コネも望めなかった。
勉強会やアルバイトなども探したのだが、開催地は東京ばかりで、愛知在住の我々は途方に暮れていた。
無いなら作るしかない、自分たちで勉強会を開催してコミュニティを作ろう。こうして俺達の夢が始まった。
Real World Pentesting Labs
コミュニティを立ち上げるにあたって名前を決める必要があった。
某氏はピッキングやカーハッキング、マイコンを使ったキーボードロガーなど物理が絡んだハッキングが好きだった。私はHTBでやるようなネットワークのハッキングが好きだったが、どうせ勉強会をやるならオンラインではなく、オフラインかつ物を使ったイベントのほうが楽しいだろうということで「Real World」が採用された。
Real World Pentesting Labsという名前が決まったが長すぎる。頭文字を取って「RWPL」となるが、発音はどうしようか。るぷる。なんかダサい。けど新しく考えるのも面倒なのでこれでいいや。
当時は「るぷる」という呼び方をそんなに気に入っていなかったが、今は「るぷる、ぷるぷる」「るぷるぷるぷる」なんか可愛い響きだなと愛着が湧いてきた。
RWPL勉強会イベント
オフラインでイベントを開催するには会場が必要である。だが、お金はない。無料で会場を貸してくれるような神はいないのか。
神はすぐ見つかった。偶然私はJAWS-UG名古屋というAWSのコミュニティに運営メンバーとして参加していたのだが、イベントは「CODE BASE NAGOYA」という会場で行っていた。なんとその会場は無料で利用できたのである。
そこで「CODE BASE NAGOYA」さんに連絡をし、どんなイベントを行いたいかを伝えたところ、ぜひやりましょうと快諾していただいた。
イベント開催経験の無い学生相手に会場や機材を貸していただいた「CODE BASE NAGOYA」さんには今でも感謝しています。
1回目のイベント
やりたいイベントのアイディアは沢山あったが、物理が絡むとマイコンなどを用意するのに時間が掛かるので、まずはHTBをみんなで解くというイベントを開催した。
とにかく人を集めるのが大変で、Twitterやconnpass, Doorkeeperなど色々な所に宣伝したが当日来てくれたのは2人だった。

参加者がどんなに少なくても、自分たちが楽しんでイベントをしなきゃ人は集まらないと思い全力で楽しんだ。
2回目~7回目のイベント
月1回のイベント開催を目標に、イベント開催を続けた。
Wi-Fiのパスワード解析をしたり、キーボードロガーを作成したり、フィッシングサイトを作成したり、色々なイベントを開催した。

回数を重ねるごとに参加者が増えていき、2023年1月に開催した名古屋での最後のオフラインイベントでは17人の参加者が集まった。

名古屋での最後のイベントは「名古屋ギークバー」というコミュニティのイベントとしてピアノバーを借りて開催した。おしゃれなバーでハッカーが集う秘密の集会みたいでカッコいいなんて思ったり。
SECCON 13 電脳会議
1回目のイベント開催から3年以上が経過した2025年3月。なんとSECCON 13 電脳会議でワークショップを開催しました!

抽選の段階から参加枠以上の申し込みがあり、当日もイベントを楽しんでもらえました。何より運営メンバーが楽しそうなのが良かったです。
このイベントには当日10名のメンバーに協力していただき、会場の設営や受付なども全てRWPLのメンバーで行いました。作問のレビューや準備などを含めるともっと多くのRWPLメンバーが関わっています。
様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まっているRWPLだからこそ実現できたイベントですね。
そんなRWPLメンバーが書いた記事が RWPL Advent Calender 2025 から読めるようです!他の記事も読んでみてください!
おわりに
実はこの記事はRWPLを全く知らない人だけでなく、RWPLメンバーに向けて書いたものでもあります。
私と某氏の夢から始まったRWPLですが、意外とRWPLのメンバーでもコミュニティがどのように始まったのか知らない人が多いのではないでしょうか。というのも、2023年頃からはDiscordでの活動がメインであり、RWPLはDiscordのコミュニティだと認識している人が居てもおかしくありません。この記事を通してRWPLがどんなコミュニティか少しでも伝われば嬉しいです。
そうそう、RWPLのDiscordサーバーに入りたい人は、私かRWPL公式XアカウントにDMを送っていただければ招待できるかもしれません。
それではまたRWPLでお会いしましょう。